
華やかな女性たちの世界。
そこでは、通称『ボーイ』や『黒服』と呼ばれる男性たちが働いています。
一般的にはホール業務(お酒を運んだり、会計をしたり)、客引き(キャッチ)をしているイメージが強いと思いますが、他にも『こんな仕事をやっていた』というのをペダルの経験を基に、何点かご紹介したいと思います。
⚠️あくまでペダルが勤めていたお店・繁華街での話です。
⚠️地域やお店、役職などによって業務内容は異なります。
店内の清掃
これもボーイの重要な業務です。
開店の何時間も前から出勤し、店内を隅々まで清掃します。
特にトイレについては、店舗のレベルを映す鏡と言われており、清掃について厳しく指導されていました。
また、ソファーにはキャストの化粧品の細かいラメが所々付着しています。
それを一つたりとも残すことなく綺麗に拭き取らないといけないので、とても大変でした。
チャーム(お菓子)の買い出し
これもボーイがしていました。
チャームとは、お客様に出すお菓子のことです。
常連のお客様を飽きさせないように、定期的に内容を変えるのですが、何を買ってくるかでセンスが問われます。
センスが悪いとキャストからクレームが入るので、意外に頭を悩ませる業務でした(笑)
キャストの成績管理
ペダルが働いていたお店は、本指名数・場内指名数・キャストドリンク数・メアド取得数・アフター数・同伴出勤数など全てがポイント化されていました。
それを控室にあるホワイトボードと専用のノートに記録していきます。
これはキャストさんの給料に直結する重要な業務だったので、見落としや間違いがないかなど、かなり神経を使った業務でもありました。
遅刻魔キャストへのモーニングコール
文字通り遅刻を繰り返すキャストを出勤の数時間前に電話で起こします。
それでも遅刻してくるキャストはいましたが…。
勤務中に外出するキャストの付き添い
酔っ払いに絡まれる可能性があるため、コンビニなどに行くキャストにいちいち付き添わなければいけませんでした。
お客様のパシリ
主にタバコの買い出しです。
お客様が吸われているタバコの銘柄を聞き、ダッシュでコンビニに買いに行きます。
ほとんどのお客様がお釣りをくれるので、地味に嬉しい業務でした。
キャストのパシリ
接客で外出ができないキャストさんから買い物を頼まれることがあります。
主にお菓子やタバコ、生理用品、パンストなどです。
この業務で初めて生理用品に色んな種類(何日目用かなど)があることを知りました(笑)
スカウト
街で声を掛けることもありましたが、著しく成功率が低いので、メインは知人女性や他店キャストへの声かけ(いわゆる引き抜き)でした。
ゲイや女性客の接客
中にはボーイとの会話目当てに来店される男性のお客様もいました。
そんなお客様が来られたときは、ホール業務を他のボーイに託し、接客に入ります。
ちなみにペダルには研修医の本指さんがいました(笑)
また、イケメンボーイ目当てに女性客が来店されることもありました。
(もちろんペダルにはそんなお客様はいませんでしたが…。)
普通はお断りすると思いますが、ペダルが働いていたお店はその辺とても緩かったので、普通に接客していました。
しかし、ホストとは違うのでルールもへったくれもありません。
お店としては『ボーイに何しても構いませんよ』というスタンス(笑)
当然、女性客は暴走します。
というか、暴走するように持っていきます(笑)
「彼、キスされるの好きなんですよ」
「お客様のこと好きって言ってましたよ」
など、ありもしないことをお客様に吹き込みます(笑)
そして暴走した女性客はイケメンボーイにキスをしまくったり、顔を舐めたり、挙句の果てにはちんちんを弄り始めます。
それを控室から見てみんなで笑っていました(笑)
キャストのメンタルケア
メンタルケアと言っても一方的に愚痴を聞くだけです。
書類の作成・管理
主に従業員名簿のファイリングや、整理をしていました。
他にもオーナーからの依頼で、警察に提出する「18歳未満雇用に対する反省文」の作成も手掛けました(笑)
風俗店への斡旋
これもボーイの収入源のひとつになっていました。
ただ、自分が風俗スカウトをするのではなく、スカウトをしている人に女の子を紹介したり、ホストにハマっている女の子(いわゆるホス狂)の情報を提供し、謝礼を貰うというものです。
しかし、この『風俗店への斡旋』は、一歩間違えれば職業安定法(有害業務の紹介)に抵触する恐れがある業務。
ペダルは犯罪に巻き込まれたくなかったので、これについてはあまり関わりませんでした。
【番外編①】難しかった業務
キャバクラはフリーの場合、定期的に女の子を入れ替えます。
これが意外と難しく、一番頭を使う業務でした。
キャストとお客様の相性、その日のキャストの接客量、予約の有無など、様々なことを考慮し、どのようにキャストを回すか考えなければいけません。
たまに「あのお客さん嫌」とか「もう疲れた」とわがままを言うキャストもいるので大変です。
とにかく、場内指名にしてしまえば女の子を変える必要もなかったので、全お客様を場内指名にできるよう頑張りました(笑)
(具体的には入れ替え時間の直前にお客様のところへ行き、場内指名してもらえるよう、ボーイが営業をかけます)
単純に『女の子を入れ替えるのが面倒臭い』という理由で頑張っていたのですが、次第に上手く場内指名に繋げられるようになり、周りからの評価も上がったので一石二鳥でした(笑)
【番外編②】嫌だった業務
ペダルが勤めていたお店はお客様からキャストへのチップは全て没収でした。
(お店の言い分としては、チップを貰えない他のキャストに不公平だから)
当然、キャストたちはチップを受け取ったことを隠そうとします。
それを接客終了後に没収するという、最悪の業務です。
チップはキャストの努力の証。
しかもキャストへの応援のためにお金を払ってくれたお客様にも申し訳ない。
どうしても精神的に苦痛で、途中からは見て見ぬ振りをしてました。
というより、見返りにチップの一部を貰ったりしていたので共犯ですね(笑)
【番外編③】苦労したこと
何より一番苦労したのは、キャストの名前を覚える事でした。
レギュラーの女の子の名前は流石に覚えているのですが、月に数回しか出勤しない女の子なんて、もう誰が誰だかわからなくなります。
名前がわからなくて一番困るのは、女の子をお客様の席に着かせる時です。
普通「○○さんです」とキャストの名前を言ってお客様の席に着かせるのですが、何度か「#&@さんです」と誤魔化したこともありました(笑)
流石にそれを続ける訳にはいかないので、女の子の出勤が多い金曜日と土曜日は早めに出勤し、従業員名簿の免許証写真を見て必死に暗記してました。
ボーイとして働いてみた感想
それまでに何度かお客様として行ったことはありましたが、その時のボーイのイメージは『ただお酒を運ぶ人』という印象しかありませんでした。
しかし実際働いてみると、やることが多く、意外に大変な仕事だということがわかりました。
一方で、普段関わることのない人たちとも関われたり(今は関わりたくない)、キャバ嬢やガールズバーの店員さんたちとプライベートで絡めたことなど、楽しい思い出もいっぱいありました。
以上、『キャバクラのボーイ(通称:黒服)の仕事』でした。